What's Fukashiken非常用自家発電機負荷試験の
現状と実態とは

非常用自家発電機負荷試験の
実施率は低い・・・

非常用自家発電機とは、火災・地震などで停電が起きた際に、スプリンクラーや消火栓ポンプ、エレベーターなどを稼働させるために自家発電する設備のことです。

消防設備を備える延べ面積1,000m²以上の特定防火施設には、非常用自家発電機の設置が必要です。そして、非常用自家発電機は定期的に負荷運転による点検(負荷点検)を実施し、その結果を消防署長に報告しなければいけません。消防法では、1年に1回の総合点検の際に「定格回転速度及び定格出力の30%の負荷で必要な時間連続運転を実施すること(消防予第172号)」と定め、負荷試験を義務付けています。

負荷試験の目的は、「非常用自家発電機がいざというときに確実に動くこと」を確認すること。非常用自家発電機は普段は稼働していないため、定期的に負荷試験をおこない、30%以上の出力負荷をかけて正常に稼働するかどうかをチェックする必要があるのです。

ところが、非常用自家発電機負荷試験を実施している建物・施設は少ないのが現状です。約9割の建物・施設が負荷試験を実施していないという調査データもあるほどで、点検をおこなっている場合でも、無負荷試験もしくは10~20%程度の軽負荷試験で済ませているところも多いようです。

非常用自家発電機負荷試験を
しないとどうなる?

震災時に発生した非常用発電機の不具合

東日本大震災において、被災地域にあった非常用発電機の一部が正常に稼働しませんでした。

燃料切れや津波の被害等を除き、非常用発電機の機能を十分に発揮できなかった不具合の多くが、点検、整備不良に起因するものでした。

※「不始動」とは、最初から起動しないこと。

※「停止」とは、いったんは起動したものの途中で止まること。

なぜ、非常用自家発電機負荷試験の実施率は低いのか?

多くの建物・施設で非常用自家発電機負荷試験が実施されていないのは、以下のような理由が考えられます。

01オーナー・管理者の認知が
不足していた

建物・施設のオーナーや管理会社が、非常用自家発電機負荷試験が義務付けられていることを知らない、というケースもあります。知らなければ当然、負荷試験が実施されることはありません。

02負荷試験がおこなわれている
と思っていた

消防設備の総合点検などを受けている場合、非常用自家発電機負荷試験も実施されているものだと思っていた、というケースも多くあります。総合点検後、下記のデータ表が添付されていなければ、負荷試験は実施されていないということになります。

03負荷試験ができる業者が
少なかった

以前は、非常用自家発電機負荷試験を実施できる業者が少ないという課題がありました。そのため、負荷試験を受けたくても受けられない建物・施設もあったようです。近年では、非常用自家発電機負荷試験をおこなう業者は増えつつあります。

04高額な費用が
ネックになっていた

従来、非常用自家発電機負荷試験は、大型の試験機と多くの作業員を必要としたため、高額な費用を要しました。費用がネックとなり、負荷試験を受けずにいた建物・施設もあったようです。近年は小型の試験機も登場しており、少人数で負荷試験ができるようになりました。負荷試験の費用も従来に比べると安くなりつつあります。

05建物・施設への負担が
ネックになっていた

従来、非常用自家発電機負荷試験は、長い作業時間を要しました。そのうえ、停電が必要になるケースも多かったため、特に利用者・入居者の多い建物・施設は負荷試験を敬遠していたようです。近年は小型試験機の導入や作業の効率化が進み、作業時間は短縮されています。また、無停電で負荷試験ができる業者もあります。

このような実態もあり、2018年6月1日、非常用自家発電機の点検方法が大きく改正されました。
以前よりも点検がしやすい環境になっていますので、いま一度お持ちになられている建物・施設の負荷試験状況を確認してみてください。改正された内容については、以下の関連リンクから御覧ください
負荷試験の未実施により、処罰や処置がとられる場合があります。

関連リンク

非常用自家発電機負荷試験とは